ごく普通の男 その4

ごく普通の男

      

何か考えなくてはいけないな。

今までは考えるだけで実現はしていない。

仕事の作業中にやり方を自分が勝手に変えて良い時もあったしダメだった時もあった。

ダメな時はお決まりの始末書。

良い時は自分の中にしまって自分だけが上手いやり方をしていた。

アドバイスを求められてきたときだけは僕のやり方を教えていた。

いやらしいと言う意味で受け取らないで欲しい。

僕が考えて自らやったやり方だから成立しているだけであって他の人がやって成立するかは分からない。

自分のやり方を押し売りするつもりはないし相手にとって迷惑かもしれない。

そういうのが嫌だから良いことも悪いことも黙ってきた。

たとえ絶対的に自信がある方法を思いついたとしてもそれが成功したとしても言わなかった。

会社ではそれを証明するために書類を作らなくてはいけないからだ。

パソコンなど使ったことがない。

高校で少しいじくっていた程度だ。

エクセルって何?

ワードって何?

スマホも持っていなかった。

2つ折りのケータイをヒマな時にパカパカしていただけだ。

その頃初めて発売されたiPHONEにまわりは騒いでいた。

買う?

買わない?

そんな質問をされたが答えは何それ?

ゲーム?

ケータイでした。

今でもスマホのことをケータイと言っています。

欲しいとも思わなかった。

そんな人間が社会人として成長するはずがない。

今の社会、書類はエクセルで下さい。

稟議書や始末書はワードでくださいと指定しなくてもそういうものが送られてくる。

遅れていた。

すべてに。

そんな事は分かっていた。

でも覚えたくなかった。

面倒くさいとかじゃなくてそういう仕事になっていくのが怖かった。

なんか怖かった。

世の中にはオーナー、社長、管理者、作業者がいる。

僕は作業者だ。

それで良いと思った。

なぜかというと管理者、作業者の給料にほぼ違いがなかったからだ。

少なくとも僕が働いている会社では。

逆にいうと課長以上は残業代がなく作業者が残業をしまくると逆転現象が起こる。

何という事だ。

偉くなったら損をするのだ。

やめておこう。

ここで偉くなるのはやめておこう。

そう心に言い聞かせていた。

つづく。

 

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