こころ動く その7

こころ動く

 

猫に会いにいく。

僕は猫が大好きだ。

尊敬している。

外の世界で一人で誰よりも力強く生きているからだ。

何回も言うがあの肉球がそれを支えているに違いない。

キジトラのニャン。

彼が他の猫と一緒にいるのを見たことがない。

本当に一人なんだろうな。

僕は一人が好きだ。

ずっと前から今も言っている。

でも本当の一人ではないんだよ。

母親はいるし兄もいる。

おばあちゃんも健在だ。

帰る場所がある。

これは一人ではないよ。

一人は好きだけど本当の一人ではないよ。

だいたいみんなそう思っているはずだ。

一人が好きだと言っている僕自身が疑問に思っているのだからそうなんだと思う。

幸せもんだな。

最低限の幸せを与えられたなかで自由に暮らす。

相当な甘ったれだ。

それだったら自分の家庭を持って暮らしている人の方が全然まともだと思う。

僕は情けない男だ。

自由を演出しているだけなんだよ。

結婚が全てではない。

みんなはそう言う。

しかし、子供を育てて家を買って死ぬまで続くであろうローンに向かい合って強く生きている。

素敵なことだと思う。

みんなで一緒に酒を飲んでいる時は愚痴も出てくる。

本当に大変そうだ。

でもみんなは笑顔だ。

一人前の人間として生きているからだ。

一人で生きている人もいろいろな事情があるだろう。

いろいろなものを背負って生きているであろう。

僕が一番身軽で何の責任もなく生きているかもしれない。

そこに罪悪感はないが情けないな。

僕みたいにならないで欲しい。

もし結婚して子供ができたら僕はどう思うだろう。

子供はある意味自分の分身である。

僕の分身がこの世に生まれることなどあってはならない。

こんな人間を一人でも増やしてはならない。

昔からそうだが今もそう思っている。

他人の子は可愛い。

見ていて笑顔になる。

抱っこしみる?

絶対無理。

落としたりしたらどうするの?

そんな責任持てません。

見てるだけでいいんだよ。

僕はそんな人間だから。

つづく。

 

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