始まるかも その6

 

猫に会ってきた。

僕の生活の中では何ら変わらない出来事だ。

彼女の家に行くと猫はいる。

彼女の家で飼っている訳ではない。

でもいる。

本当は僕が先に行っていて猫が「お疲れ」って言って入ってくるくらいがちょうどいいと思う。

だって猫の方が偉いと僕は思っているから。

でも僕は知ってる。

いずれ別れが来ることを。

猫は自由だ。

本当の自由だ。

明日は保証されていない。

その保証を犠牲にして自由を得ているのだ。

なかには外から家の中を見つめ家猫になりたいなと思っている猫もいると思う。

そううまくはいかない。

彼らはそれも知っていると思う。

寒い時にはコタツに入りこの猫こんなに長かったんだって思うくらい伸びている。

温かい日は窓の近くでひなたぼっこをしている。

そんな猫ももちろん可愛い。

しかし外の世界で力強く生きている猫ほど尊いものはない。

彼らは生きている。

もしかしたら好きでもない家にあがりこんでご飯だけを頂戴する。

これは彼の仕事なのかもしれない。

猫は我々のことをそういうふうに見ていているかもしれない。

彼らは話さない。

何となくお互いの感じを察してそばにいる。

だから猫のことは分からない。

猫には猫の生活があって僕には僕の生活がある。

いずれ別れが来るかもしれないというのは別れたくないけどそうなった時に僕の気持ちがダメになってしまうからある一定のところで線を引いているのである。

僕はそういう人間だ。

これ以上行ってしまったら心中してしまう。

そんなことになりたくないんだ。

それでもこのニャンはいま僕のところにいる。

それだけでいい。

また今日という日が過ぎていく。

つづく。

 

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