異文化そして洗礼 その2

異文化そして洗礼

 

いま僕たちは渋滞にハマっている。

ここの交差点を抜ければ渋滞がないはずなんだよな。

そう思っていたがその交差点を抜けられない。

この交差点は信号がないのだ。

おそらく信号がある交差点の方が少ないのではないのだろうか。

みんなが行きたい方向へ行く。

右から左からそして前からみんなが暗闇で光を見つけたときの虫のように交差点に集まってくる。

本当は集まりたいのではない。

通り過ぎたいのだ。

そしてそこに車やオートリクシャーが多くなりすぎて動けなくなるのだ。

普通考えれば分かるじゃん。

僕たちはそう思っている。

それが普通だ。

しかし彼らの普通がこれなのだ。

そうしてここには排ガスが溜まり黒い煙に覆われる。

みんなマスクをしていない。

鼻の中が真っ黒になるだろうな。

そのことはすでに覚悟していた。

全然動かない。

このままだとヤバイな。

そう思っていた。

そして痺れを切らした運転手が動き出した。

少し大回りをし車と車の間をスイスイと抜けていく。

なかなかやるじゃないか。

やっと交差点を抜けられた。

僕たちの求めていた公園へ向かった。

細い道を下りものすごいスピードで公園が近づいてくる。

僕たちは怖かった。

このスピードで衝突したら僕たちは死んでしまうのではないか。

そして誰かを轢いてしまったらその人は死んでしまうのではないか。

たとえそれが犬や猫だったとしても大変なことだ。

この国には渋滞が多い。

早く行けるところは無理をしてでも行こうという気持ちはわかる。

しかしこれはスピードの出し過ぎだ。

カイト君は上にあるバーを握っていた。

僕のところにはバーはなかった。

シートに捕まり自分の体を固定することしか出来なかった。

二人とも顔をひきつらせながら我慢した。

ドドドドッというエンジンが唸っている音とゴーーッという風を切る音がなっている。

僕はここで死ぬのだろうか。

そんなことはなかった。

オートリクシャーは次第に速度を落とし公園の入り口へと入っていった。

僕たちにあまり時間がないのは知っていた。

そしてオートリクシャーから降りた僕らは入場料を払い走って川岸へ向かった。

道が開けているのですでにその景色は見えていた。

そして絶景スポットだと自分の中で決めつけていた川岸についた。

僕の息はあがっていた。

走ってくる時から見えてはいたがやはり絶景だった。

しばらくこの景色に対して何も考えられなかった。

ハッとして気づいた時にはカメラを出していた。

この景色を残しておこう。

何枚も撮った。

将来的にはその中の1枚か2枚くらいしか残らないのは分かっていたが何枚も撮っていた。

ファインダーから見るとまた違う。

最高の時間だった。

しかし時間がすぎるのは早い。

「そろそろ行きましょう」

カイト君が言った。

僕は彼の言葉にうなずきそしてまた走り出した。

行きは下り坂だったから早く感じたが帰りは登りのためかなりキツい。

僕たちはバスターミナルまで早く行かなければならなかったのでここでも走った。

その前にホテルに行ってバックパックを回収しなくてはいけない。

その前に入り口で待っててくれているオートリクシャーのところまで行かなくてはならない。

アグラという街で僕たちは走った。

とにかく坂が急だ。

スニーカーで来て良かった。

サンダルの方が動きやすいなんていう情報もあったが絶対にスニーカーで旅をした方がいいと思う。

道が悪い、何が落ちていて自分の足に刺さるか分からない。

このデコボコしてて歩くのもひと苦労するようなところだ。

オートリクシャーが見えてきた。

彼は僕たちを見て手を振っている。

「早かったね」

彼が言った。

本当はもう少し居たかった。

でも時間は待ってくれない。

仕方ない。

オートリクシャーは僕たちのバックパックを回収するために走り出した。

つづく。

 

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