現実へ戻される その2

現実へ戻される

僕は電車に乗ろうとしている。

どの電車に乗ってどういうふうに帰ればいいのかも考えたくないくらい思考回路が停止している。

とりあえず自販機で温かいミルクティーを買って上野行きので乗った。

僕はミルクティーが大好きだ。

コンビニに行くたびに買っている。

支出から考えると無駄なのは分かっている。

家にいる時は自分で作った方が安く簡単なのも知っている。

でもなぜかこのミルクティーを飲んでしまう。

中毒なのかな。

僕はタバコを吸わないからこれぐらい散財してもいいだろうと考えてしまっているのかもしれない。

もったいない。

自分の満足度と対価があっているのでとりあえずは良いのだがこの給料をずっと維持できるとは思っていないしいずれ結婚でもした時にこんなお金の使い方に慣れてしまっていると大変だ。

まあ結婚はないけど。

なんとなく景色を眺めていると行きの時を思い出した。

不安という感情が大半を占めていて変なテンションになりガラス越しにバックパックが似合うかをずっと見ていた。

帰りの僕は思考回路が停止していて何もしたくないし何もできない状態だった。

唯一できるのはミルクティーを飲むことくらいだ。

景色がだんだん田舎から都会に変わっていっていて上野に近くなっているんだなと感じた。

昔は都会に憧れていて今は田舎も悪くないなと思っている。

そういう人は多いのではないだろうか。

僕の地元である群馬県前橋市はお世辞にも都会とは言えない。

だから都会に憧れていた。

学生の頃に少しお金があれば電車に乗り東京へ行ってちょっとしたものを買っていた。

東京で買ってきた。

僕の中では1つのステータスだったのかもしれない。

しかし今は東京に行かなければ買えないものなどあまりない。

便利なECサイトで1週間いないには届くし検索ワード1つで多くの今日ほうが得られる時代になった。

そういう時代の波に乗り遅れて気付いたら何らかのチャンスを失っていたというのはよくある話だ。

今回僕も外に出てみていろいろな事が経験できたと思う。

少し勇気は使ったが今回はこれで良かったと思っている。

京成上野に着いた。

不忍口から出て少し歩けば上野駅だ。

重いバックパックを背負い僕は駅まで歩いた。

休みの日なのになんて人の多さなのだろう。

昔から東京に来ると圧倒されてしまう。

ここで住んでいる人は大変だな。

こんなに人が集まって何をしているのだろう。

何が目的なのだろう。

理解できなかった。

僕自身、昔はここを何のために目指して電車に乗ってまで来たのかはよく分からなかった。

多くの人とぶつかりながら歩道を渡り上野駅に入る。

「なんか疲れているから新幹線で帰ろう」

僕は一人でそう言った。

首からかけている小さいバッグの中には1万円が入っていた。

高崎まで5千円くらいか。

お金のことよりもとにかく早く返って休みたかった。

僕は新幹線のチケットを買いホームへ向かった。

途中にキオスクがありお菓子を買った。

そして自販機で温かいミルクティーをまた買いホームで新幹線を待っていた。

チョコレートとポテトチップス。

そしてお昼を食べていなかったのでサンドウィッチも買った。

これだけで1000円近くする。

高い。

日本は何をするにもお金がかかる。

そのためには働かなくてはならない。

そんな社会構図の中で僕は生きているんだ。

インドから返ってきて少し余韻に浸りたかったがここで現実へ戻されてしまった。

新幹線に乗り僕は席に着く。

自由席だったので座れるか心配だったが意外に乗っている人は少なかった。

1時間くらいはゆっくりできる。

新幹線が走り出してから僕はスマホを見ながらサンドウィッチやお菓子を食べている。

やっぱりリラックスが出来るな。

寝ることはなかったがゆったりとした良い気持ちになっていた。

僕はやっぱり日本人だから日本が良いのだろう。

それは分かっている。

しかし今回の旅は刺激的で良かった。

それだけは間違いなく言える。

1時間とは早いものであっという間に高崎に着いてしまった。

ここから前橋大島まで両毛線で帰らなくてはいけない。

ここで待っている時間と前橋大島駅まで乗っている時間を合わせると約1時間。

新幹線と同じではないか。

時間をお金で買う。

よく言ったものだ。

共感する。

前橋大島駅から僕の部屋まで30分くらい歩いた。

部屋につきゆっくりしたかったが一応実家に顔を出しに行っておこう。

僕は車の鍵を持って外に出た。

少し薄暗くなってきていた。

僕は車のエンジンをつけて実家に向かって走り出した。

つづく。

 

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