現実へ戻される その5

現実へ戻される

インドでの体験は本当に自分にとってプラスになる出来事ばかりだった。

しかしそればかりでは先に進めないので一旦考えを他の事に持って行こう。

仕事もあるし他のこともしたい。

せっかくカメラも買ったのだし色々と出かけてみよう。

その年の仕事が始まり僕は気持ちを切り替えようとしていた。

週末になれば県内ではあるがカメラを持って出かけて写真を撮った。

自分がいつも見ている普通の景色が普通に画面に残っている。

大して面白くもないものがそこには多く残されてきたがそれはその時の自分の中で日常生活として見ているからであって何年後かに見た時に過ぎ去ってしまった自分の過去となると思っていた。

そんなにすぐ地元の景色など変わらない。

しかし少しずつ変わっていき失われていく景色もあるだろう。

そしてまた新しい景色が生み出されていく。

一人で散歩して写真を撮っている時は何となく寂しい気持ちを持っていた。

カメラを持って散歩する事に楽しさもあった。

楽しさの方が強かった。

雑誌を見てはこんなふうに撮りたいとかこの撮影場所はどこなのだろうと興味を持って見ていた。

その後に自分の写真を見ると物足りないと思うようになっていた。

何となくこの写真良いなとかはあったが何かとお決まりのパターンで構図や選んでいる場所が似ている感じがあり面白さに欠けていた。

人の写真を見ないで撮った方がいいとか、いっぱい見て勉強した方がいいとかそれぞれが違うことを主張していてよく分からない。

自分が撮りたいものを好きな構図で撮ればいいのだ。

本来はそんなものだと思う。

僕の写真にクセがあるのならそれでいいではないか。

それがらしさになると信じてもいいと思いしばらくは何も考えないで撮っていた。

いい趣味を持ったなとは自分で感じていたものの当初と違う考えになったのは意外にお金がかかる趣味なのだということだった。

カメラ自体はピンキリだしJPEGで撮れば容量もそんなに使わないが実際はそうはいかないらしい。

僕はまだそこまでしてないがパソコンにデータを取り込みフォトショップなどである程度の加工をする。

そこまでいくと今度はJPEGではなくRAWというちょっと大きめの容量に設定して撮ってパソコンに取り込むためデータは重くなる。

重いデータは性能の低いパソコンでは扱いきれず高額のものを買わなくてはならないらしい。

そして大量のデータを取っておくためにSDカードも容量の大きいものとデータの取り込みが早いものを選ばなくてはならないみたいだ。

僕のカメラはニコンのD5100でレンズはキットで付いてきた18-55 VRというもの。

VRというのはレンズに手振れ補正が付いているらしい。

画素数は1600万画素。

何ビットとかはよく分からない。

最初はカメラを片手に持っている自分の姿を無敵だと思っていたが上には上がありちょっとショボく見えてきた。

しかしいいカメラがいい写真を撮るわけではないことはこの時から知っていた。

プロと同じカメラを持ったらあの雑誌のような写真が撮れるわけではない。

そのくらいは知っている。

しかし僕は日本人だから色々と調べていくうちにもっと高性能なものも欲しくなっている。

ヤバイ。

この考えはここら辺でやめておこう。

ここで止めておかないと買い物が止まらなくなる。

そんなにお金に余裕などない。

とにかく撮る事に集中しよう。

撮っては小さい画面とのにらめっこ。

僕はそのデータをスマホに転送することやパソコンに転送することをしなかった。

スマホに転送するとかやり方は知らないしパソコンなど持っていない。

パソコンに興味などなかった。

カメラとレンズさえあればいいと思っていてずっとSDカードにデータを貯めっぱなしだった。

今考えればそれが良かったのかもしれない。

とにかく撮ることが大事なのだ。

もしこの頃にパソコンを持っていて加工できたりしたら撮ることへの興味はあまりなかったかもしれない。

時間があれば撮りたいところへカメラを持って行きシャッターを切るのだ。

外は寒くても全然気にならなかった。

撮っている時の少し寂しい気持ちはあったが週末の僕はそんな行動しかしていなかった。

つづく。

 

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