現実へ戻される その6

現実へ戻される

僕は今、仕事帰りにすき家でネギ玉牛丼サラダセットを食べている。

そういえば僕にも夢があった。

プロ野球選手になることだった。

でも目指してはいたものの中学生の時に何となくなれないだろうなと思っていた。

諦めとかじゃなくてまわりの選手や同じ世代の注目選手を見た時にちょっと違うなって思っていた。

中にはずっと自分の力を信じて諦めずに続けている人もいる。

偉いと思う。

自分の力を信じ続けることは良いことだと思う。

僕は信じきれなかった。

何か理由をつけて出来ない感じにしていた。

感覚的に体は反応する。

そしてその通りに動き上手くいく。

それが急に出来なくなる。

まわりの選手がすごいのもあるが自分のレベルが低いことも否定できない。

自分のレベルが低いのなら努力すれば良い。

僕には出来なかった。

結局は自分に甘かったのだ。

こういう人間は社会に出てヨーイドンでスタートをしたとしても置いていかれる。

そんなの分かっていた。

自分は特別な人間なんかじゃない。

普通の人間だ。

普通でいられるだけでも幸せなのだ。

そこから努力して少しずつ成長できると思っている。

頭では分かっている。

しかしいざとなると体がいうことを聞かない。

漫画を見ていたりパチンコをしたりゲームをしたりとダメな男だった。

今もダメな人間のままだ。

現在進行形はよくない。

何か他の人と差別化できるものを持っていないと自分は生きていけないと思っていた。

でもなかなか出来なかった。

面白いと思っていないからだ。

面白いとか心から楽しいと思っている事に心と体を捧げないと集中出来ないし成長できない。

仕事も趣味もそうだと思う。

仕事は一生懸命やっているつもり。

趣味も楽しんでいるつもり。

全部やっているつもりだ。

自分でわかっている。

これじゃ中途半端だ。

でもこういう考えの中でポジティブなものはないのだろうか。

僕は自分のことがそこそこ幸せだと思っている。

それなのにこういう考えになるのはどういうことなのだろうか。

人間の欲だと思う。

もっとお金持ちになりたい。

もっと人から評価される人間になりたい。

もっとモテたい。

もっと有名になりたい。

心のどこかでこんなことを思っているから自分に対してネガティブな発想しかないのだと思う。

たまには自分の弱さや力のなさ、そしてこの社会で自分が何者でもないことを受け入れていくのも良いと思う。

僕はどんなにダメでも僕だしどんなに頑張っても僕なのだ。

ずっと僕のままなのだ。

子供の頃から比べると体や顔は大人になったがあの頃の記憶を持ったままの僕でしかないのだ。

どんなに自分を否定してもどんなに自分を大きく見せたり見栄をはっても僕でしかなくそこから逃げられないのだ。

逃げようとも思わなくていいのだ。

受け入れればいいだけなのだ。

変わらなくてもいいし変わってみようとチャレンジするのもいい。

誰がどう見ても僕は僕なのだからやりたいことをやればいいのだと思う。

そんなに気持ちを高ぶらせなくてもいい。

やりたいことを素直にやろう。

これは自分の人生なのだから。

僕の手元にはさっき買ってきたカメラの本とスマホがある。

早く帰ってこの本を見よう。

僕は夕飯を食べ終えてお会計をした。

外に出て車に乗り少し遠回りをしていつもと違う道を通り自分の部屋へと帰っていった。

何の意味があるのかは分からない。

ただ、そうしたかっただけなのだ。

つづく。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました