気付き その9

気付き

「今回も休みの日は出かけちゃうんだよね。」

僕は彼女にそう言った。

「そうなんだ。どこ行くの?」

僕は

「アジア。」

そう答えた。

「どこ?」

「タイの方。」

「は?」

そんな会話が続いた。

僕は前回の冬休みのことも話した。

「えっ?」

彼女は少し混乱していた。

そりゃそうだ。

前回の冬休みは家族と京都に行ったことになっていた。

要は嘘をついていたのだ。

彼女は「写真とかある?」

「インドが好きだから見てみたい」

「休みが短いから行けないけど。」

僕はカメラを出し写真を見せた。

彼女は興味深そうに写真を見ていた。

僕はインドで起こったこと、一緒に旅をしてくれた若者のこと。

あの日のことを全部話した。

「いつか行ってみたい。」

彼女はそう言った。

しかし彼女の仕事は医療系なので長い休みが取れない。

まあいずれ一緒に行ければいいかなと思う。

で?今回はどこに行くの?

だからタイの方。

どこ?

地図を見せて指を差す。

だいたいこんなところ。

「へぇー、そうなんだ。」

「タイだけ?」

「いや、多分ベトナムとカンボジアも。」

「と言うよりかはカンボジアがメインかもしれない。」

そんな会話だったと思う。

彼女は怒ってはいなかったが残念がっていた。

休みが合わないのは仕方がないね。

僕個人としては旅は1人が良い。

僕は自分勝手な人間だから他の人がいるとストレスになってしまうし一緒にいる人もストレスを感じてしまう。

このままだとしばらく彼女とはどこにも行けないな。

普段の休みの日に行けるところに行こう。

そのくらいはしてあげないとマズいだろ。

とりあえず彼女には報告できた。

カンボジアに何があるか見てみよう。

アンコールワット。

キリングフィールド。

この2つは行きたい。

あとは一応見ておくけど行けたら行こうぐらいの気持ちで見ておこう。

本を見てどうやっていけるか見てみる。

正直あんまりよく分からない。

前もそうだったが行ってみて何となく分かるだろう。

あとはそこらへんにいる人に聞いてみればいいや。

そんな感覚が後々の後悔につながってくると分かっているのにちゃんと確認しない。

僕の悪いクセだ。

英語も分からない。

人とのコミュニケーションもうまく出来ない。

そんなことで海外でやっていけるのだろうか。

普通考えれば無理だろう。

そんなこと僕でも分かる。

ちゃんとした計画を立てた方がいいんじゃない?

誰かが僕を見たらそう思う。

絶対。

大丈夫かな。

こういうときは自分で気付かないんだよね。

ダメだな。

もしベトナムに入ってカンボジアまでの移動方法がなかったらどうすればいいんだろう。

飛行機のチケットはキャンセル出来るのかな。

バックパックとか無くなったらどういう行動を取ればいいのだろう。

当時は全然そんなことを考えてなかった。

バカだな。

経験済みで反省しているのに改善しない。

分かっているのにやらない。

夏休みまでまだ時間があるから少し考えた方がいいな。

海外の旅についてもっと勉強しよう。

本とかに書いてあるかな。

ネットにも載っているかな。

ちょっと前までもう海外に行くことなどないだろうと思っていたのが嘘のようだ。

しかも今回はこれで最後にしようとも思っていない。

いろいろなところに行きたい。

自分の目で確かめないと気が済まない。

テレビで見ていても良いがそれだけじゃ満足しない。

そんな気分になっていた。

僕の旅の基本は写真だ。

旅と写真は本当に相性が良いと思う。

自分が歩いた道を写真に残して生きてきた証のようなものが欲しい。

人から見ればそんなにたいそうなものではないが自分の中ではすごく大きいことだと思う。

東南アジア。

何が待っているのだろう。

変な病気にならなければいいな。

つづく。

 

 

 

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