暑さ その6

暑さ

そろそろこの飛行機は広州に着く。

僕が座っているこの通路側のシートから窓の外を見ても陸が見えるほどだ。

滑走路が見えた瞬間強い衝撃とともに僕は広州という場所に着いたのだと実感した。

ただの乗り継ぎだと言えばそれまでだが中国に来たという事実が僕の中に残ったのだ。

僕の学生時代は中国人との繋がりが意外に多いのだ。

僕の生まれ育った街の中には外国人が多く中国人はもちろんイランやブラジルからの出稼ぎの人が多かった。

僕の生活圏には中国人が多かった。

正直最初は好きじゃなかった。

遊んでいる時も彼らは仲間外れになっていることが多かった。

子供の頃の僕には何で嫌いなのか明確な理由もないまま、まわりの友達や雰囲気でそれを感じてただ嫌いだったのだ。

本当に愚かだった。

今は中国から来て日本に住んでいる人として尊敬している。

そんないろいろな感情を持っている国に来た。

空港の外に行く訳ではないが少し気持ちは高ぶって来た。

荷物はないので手ぶらでゆっくりと空港内に入る。

僕が思っている空港とは違い建物は大きく圧倒された記憶がある。

僕の中国に対するイメージがチープなものだったのでここで変わってしまった。

もちろん顔は東洋系なのだが施設やショップは最先端だったと思う。

僕はカフェに行きWi-Fiに繋げたかったのだがどうやって良いのか分からなかった。

店員に聞いても何を言っているのかはよく分からない。

どんな人に聞いてもサービスカウンターを指差している。

あそこに行けというのか。

分かった。

少しゆっくりしてからあそこに行こう。

僕はコーラを飲み干しサービスカウンターに行った。

すごい下手な英語でWi-Fiどうやって繋げられますかって聞いた。

何となく伝わったのかサービスカウンターの彼女はすぐ隣にある機械を指差した。

この機械で何かを入力するのか。

そう悟った僕はその機械の前に行き書いてあることを読んでみた。

英語と中国語しかないではないか。

僕はこれを自力で解読するしかないのか。

僕はパスポートを置く場所に写真の面を置き指示されたように入力した。

正解だったかどうかは分からないが小さいプリントが出て来てそこにパスワードが入っていた。

多分正解だったのだろう。

パスワードを入力し僕のスマホが広州のWi-Fiに繋がった。

これで時間を潰せる。

僕はお茶と軽食を買いベンチに座った。

ニュースを見てお茶を飲む。

いつもの時間を潰す僕のスタイルだ。

しかしここでちょっとした事件が起きた。

お茶を結構な勢いで飲んだのだがゴホッと言って咳込んでしまった。

何が起きたのだろう。

みんながこっちを見ている。

みんなの視線は感じていたが僕自身何が起きたのか分からなかった。

なぜ咳込んでしまったのだろうか。

その原因はこのお茶にあった。

砂糖が入っていて甘かったのだ。

こんなお茶飲んだことない。

おそらく僕の口がいつもの苦いお茶が来る準備をしていたから拒絶反応を起こしてしまったのだろう。

これぞ僕に起きた体のカルチャーショックなのだ。

まさか乗り継ぎの空港でこんなことが起こるなんて思いもしなかった。

今度からちゃんと確認してから飲もう。

ここは日本じゃないんだから。

つづく。

 

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