南の北へ その2

南の北へ

僕は4時間30分乗ったバスを降りた。

降りてバックパックを取り少し歩くと多くのトゥクトゥクの運転手が現れた。

インドではこのような3輪車のような人を乗せることを目的としている乗り物をオートリクシャーと呼びカンボジアではトゥクトゥクと呼んでいる。

少し形も違う。

僕はホテルも予約していなかったし正直どうしていいか分からなかった。

ここプノンペンに来た目的はただ一つ、キリングフィールドが見たかったのだ。

もう夕方になるから今日はどこかホテルを取ってゆっくり休みたい。

そう思い僕は近くにいた運転手に聞いた。

「どこか安いホテルはありますか?」

運転手はうなずいたので僕はトゥクトゥクに乗りそのホテルまで連れて行ってもらった。

外は暑く汗が止まらない。

これが東南アジアの暑さか。

僕は高校まで野球をやっていたのでこの暑さには慣れている。

この暑さを表現すると日本より日差しは強いのだが湿気が少なく日陰に入ると涼しいのだ。

僕の感覚ではそう思った。

過ごしやすい。

少なくとも日本に夏やインドの冬よりも。

よく定年を迎えて東南アジアで老後を迎える人たちがいると聞く。

この気候であれば問題ないだろう。

しかし食べ物とか大丈夫なのだろうか?

まだ僕はここに来てちゃんとした料理を食べていない。

ちょっと心配だ。

少ししたらホテルに着いた。

ホテルに入りフロントに聞いたら部屋は空いているとのこと。

しかし値段を聞いて驚いた。

「40ドル」

僕はホテルにそんなお金は払えない。

そんな価値はこのホテルには無い。

そう判断した。

僕はトゥクトゥクの運転手に怒ってしまった。

しかし彼は僕が日本人だからそれくらいのお金を持っているだろう?そんな感じで言ってきた。

怒ってしまったことは悪いと思ったがこの運転手もダメだと判断して他を当たった。

やはり発展途上国に来るとこんな僕でもお金持ちに見えるのだろうか。

僕はこのは時まだこの国の平均給料など全く知らなかった。

よく考えると日本人はお金持ち。

そのイメージは合っている。

それは今までの日本人たちが観光に来てそういうイメージをつけて行ったのだろう。

いま日本は好景気とも言えず海外の企業に次々と抜かされている。

それでも日本人はこの国ではお金持ちでいられるのだ。

理不尽だ。

僕の目の前にはさっきまでとは違う運転手が立っていた。

今度はちゃんと伝えよう。

「10ドル以下のホテルはありますか?」

運転手はうなずき僕を乗せたあと説明してきた。

いくつかのホテルの名前を言って金額と部屋の種類も教えてくれた。

僕は一番安いホテルを選びここに行ってくださいとお願いした。

ここに行ったことでこの運転手にホテルからバックが入ってくるのかは分からないが10ドル以下であれば何でもよかった。

ホテルに着き僕はフロントに部屋は空いてますかと聞いた。

フロントの女の子は空いてると言い僕にパスポートの提示を求めた。

僕はパスポートを彼女に渡し宿帳に僕の情報を書いた。

ひと通りの注意事項を聞き流したあと部屋に行った。

連れて行かれた部屋は8人部屋だ。

僕は指定されたベッドにバックパックを置きホテルの中と周辺を見てまわった。

この周辺は安宿やバー、風俗系のお店が並んでいて1つの歓楽街となっていた。

日本でよく見かける客引きも多かった。

空はもう暗くなっており僕のお腹も空いてきた。

近くにあった小さい食堂に入り僕はカレーを頼んだ。

僕はただ「カレー」とだけ言った。

しばらくしてカレーが僕のテーブルの前に出てきた。

そのカレーは緑色をしていて僕が想像していた「カレー」とは違った。

食べてみた。

一口目の感想。

「マズい」

何だろうこの甘さ。

これはココナッツだ。

ここでは「カレー」と注文するとこの緑色のカレーが出てくるのだ。

申し訳ないが全部を食べきれずお会計をした。

食欲もなくなってしまった。

僕はコンビニに行き海外で定番のLaysとコーラを買いホテルへと戻って行った。

つづく。

 

コメント

タイトルとURLをコピーしました